2010年3月11日木曜日

SRサイタマノラッパー

9日夜、名古屋のシネマスコーレで見てきました。
TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」名物コーナー「シネマハスラー」で宇多丸師匠の昨年度No.1に輝いた映画です。
見てみたいと思いつつ機会がなかったのですが、ツイッターで名古屋で1日だけ上映されるとの情報に接し、速やかにスケジュールに入れてその日を待ったという体です。

なんとか残業を切り上げてシネマスコーレへ。雨の中、入り口に辿り着くとどこにも「SR」上映との表記なし。シネマスコーレの方に思わず「サイタマノラッパーですよね。今日」と確認。間違っていない事が分かるとすぐ入場料を支払って席に陣取って上映を待ちます。

これより、ネタばれ警報発令します。






2本ほど予告編を見て(ノルウェーホラー映画と邦画)、いよいよSRサイタマノラッパーの世界へ。
主人公のIKKU視点で描かれていきますが、非常にイタイシーンの連続。なのに見下し感やバカにした感を受けない不思議。途中、ヤンキーに殴られ元同級生のヒロインに馬鹿にされ最後には先輩ラッパーにも裏切られ、周りから誰もいなくなる。カメラの視点=IKKU自身の第三者視点になっているおかげです。この視点のおかげでイタイのにわりと冷静に見ている事が出来る要因になっているんだと思います。
どうしようもないIKKUとTOMが最後に取り残され、その二人も袂を分かってから、ある居酒屋でおきる二人の真剣なラップの応酬で断章。IKKUの物語はこのシーンの為にあったのだと思わせる圧倒的な表現。このシーンだけでこの映画を見に来た甲斐がありました。

最後のエンドロール、SHOGUNオールメンバーによる楽曲になっています。この点だけは残念。というのも最後のラップシーンから考えるとIKKUとTOMだけの楽曲の方が良かったのじゃないかと感じられたため。最後のシーンとエンドロールで断絶してしまっているのは非常に惜しい気がします。

この映画、実際に見てみた事で宇多丸師匠が推した理由がよく分かりました。演技を越えた真剣な魂のぶつかり合いという大変熱い最後のシーンは心に残りました。
Twitterでも書きましたが、決して上手く作られた映画ではないと思います。でもそれを上回る何かを持った不思議な魅力を持った映画です。久しぶりに大納得の映画に出会えました。見に行って良かった。