2012年8月10日金曜日

トータル・リコール

シュワルツネッガーの「トータル・リコール」のリメイク。エンドロールを見ていると前作の脚本についてクレジットがあるので、あくまでもリメイクである事が前提にある事が分かります。その観点では成功しているかなと。


映画監督にすればどこで自我を出すかという仕事でもあります。見た感じでは「元妻と妻の死闘」とでも言うべき展開はオリジナルかな?と思いながら見てました。
ただこの「死闘」は最後に決着を付けるのがその二人ではないので拍子抜けしたというか、私の見方が違っていたのか。。。

舞台設定が地球に変更されていますが、それでも「トータル・リコール」でしかないという作品作りはある意味立派。ただ世界設定の変更で導入した"FALL"についてはストーリーの現実性を持たせるには説得力に欠けるところがあるかなと思ったのも事実。(※)

終わってみると何も残らない映画ですが、それなりに話の推進力を持っていて終わってから「あれ?」と気付く程度の瑕疵なら昨今の映画作品としては合格点なんだろうなあと思います。単なるジェットコースタームービーという訳ではないので、安心して見られる作品なのは確かです。









※以下、ネタバレあり。




・FALLの輸送躯体、地球のコア通過時に重力反転する設定。主人公は警察用VTOL機で乗り込んで来て、最後にこの機材が重要な役割を果たす訳ですが英国で着艦したヘリが何故コロニーで上に出てこられるのかが謎。
・あと、こちらの方が致命的ですが、FALLで移動するしかないのであれば、コロニー防衛作戦はさほど難しくないですよねえ。到着時躯体を静止固定するラッチ部分の破壊、FALLトンネルの破壊、重量物の投下などいくらでも手はある筈で独立国家の体を取っているコロニー側の対応が大変不思議なものに見えてきます。

ただこういった疑問を少なくとも上映中に感じさせなかったのは、脚本や演出がちゃんと仕事をしていたからかなと思う次第。