2012年8月20日月曜日

[映画] 「桐島、部活やめるってよ」

8月19日レイトショーで見ました。
動揺を来して紙をガサこそする人、多人数で来ていてクスっとするかと思ったら全く静かだったという。。。


本作について「スクールカーストが」と言われる方がいますが、全くその通り。自分の学生時代を否応なく思い出させてくれます。
そして登場人物達視点での描写が次々と切り替わり、時間が巻き戻されるという演出。これ、小説ではたまに見かけますが実に上手く映像化。

ネタバレかも知れないので警告。




























この映画の本質はあるマクガフィンを巡るバタバタ劇なんですが、その過程で描かれるそれぞれの事情。笑ってみてられる人もいるだろうし、大変嫌な思いをしつつ見ている人もいただろうなあと。そういう映画です。
過去の傑作青春映画と比較される方がいらっしゃいますが、本作の場合、登場人物達とほぼ同世代の作家が書いた小説がベースなので、そのような評価が妥当なのかな?とは思います。

映画部の面々の描写ですが、部員のキャラクターが類型的過ぎる点は気になりますが(10人も人が集まればそれこそイケメンも紛れてくる訳であのような均一性の高い集団になるか疑問)、それを除けば意外に本格的に描かれています。思わず「雨とキツツキ」を思い出したぐらい。これは本作監督の吉田大八監督の視点が混じっている気がしましたが、多分気のせいでしょう。。。

本作で不満があるとすれば最後のシーンを付け加える必要があったのかという点。大団円にしか見えない展開後に付け加えられていたエピローグの意図は今ひとつ分からず。原作にもあるシーンなんでしょうか?原作を手に入れて確認するしかなさそう。

と言う事でいろんな意味で衝撃を受ける映画であるのは間違いない。見ておいて損はない作品だと思います。

追記:原作確認しました。小説でも特異な構造を持つ作品を巧く映像化されています。ただ最後のシーンの処理はもう少しやりようはあったのではないかと。映画では時系列と視点を切り替えて行く事で小説の物語を映画にした訳ですが、冒頭で最後のシーンの曜日を示した上で数秒印象的なシーンを入れておけば、最後のシーンは冒頭の伏線回収になり物語をきれいに環状に閉じる事が出来たのではないでしょうか。
この点だけが惜しいと思っています。