2013年4月13日土曜日

[映画] シュガー・ラッシュ

これ、TVCMでの予告編切り出し失敗してないですかねえ。ゲーセン通いはしてませんがPC-8001と8801シリーズのゲームで育った者として堪能。良かった。
ネタバレあります。


罪深き予告編
予告編。映像的にチープにも見えるところがあるシュガー・ラッシュのゲーム世界の映像なんですよね。あれよりコンセントの中のコンコースのシーンを1ショット入れたらもう入れ食いじゃないの、というのが冒頭のぼやきです。キャラクターの著作権絡みかもしれませんけど大変惜しい。あれならすぐ見に行く決断していました。ちょっと外した予告になっていて珍しい(でも噓はないのでその点、好感は持ってます)

ディズニーvs.ピクサー
さてディズニーと言えばピクサーのCGアニメが看板になっています。特にヒット作トイストーリーは大変評価された一作ですが個人的にはある1点について違和感がありました。
それはおもちゃの世界の子供たちを主と崇め奉りかねないような使命感であり、自らの運命を受け入れている点。あれを子供たちに見せて自分の将来は使命として与えられているんだねと思ったらどうするのだろうかというのが起点。そうやってみていくと、例えばおもちゃの足に書かれた所有者の名前を見ておもちゃ自身が泣くという展開はどうなのかなという懐疑が残らざるを得ないところがありました。

シュガーラッシュはその点を「俺たち、Business Hourはプレイヤーと一緒に敵を倒しに行ったり、悪役の役をやったりする仕事をしてるんだ」という職業としてのゲームNPCたちの悩みを描いていて、おそらく対象としているはずの子供たちの両親の悩みを等身大で投影出来る仕組みになっていて好感。
トイ・ストーリーのおもちゃとしての使命感は大人が子供時代のおもちゃの哀愁をもって見る構図の映画です。このために子供たちはおもちゃをどう見てしまうのかという問題が残りました。
シュガーラッシュは職業としてのゲーム世界を描く事で、ゲーム世界のキャラクター達が大人に見える構図を作り出す事で両親と子供がそれぞれ自己投影しながら話が出来る作品に仕上がっていて、トイストーリーの欠点を見事に打破したという観点でディズニーの勝利ではないかなと思った次第。

誰がゲームを作ったのか?なんてどうでもいいよね。
この作品、隙があるとすれば誰がゲーム世界を記述したのか、という視点が描かれていないところでしょうか。作中ではプログラムで動いているという自覚について言及はされていますが、何故ゲームが自然とバージョンアップされるのかといった話は描かれていません。
本作で開発者たちを描いてしまうと作品の設定が崩壊するので意図的にスルーしたのだとは思いますが、実はきちんと設定が与えられていて続編があれば使うつもりだとしたら脱帽ですね。そういった次回作もあってよい、そう思わせる作品でした。